拝啓
時下ますますご清祥のこととお喜び申し上げます。平素、新宿食支援研究会に格別のご高配を賜り、心よりお礼申し上げます。

2017年(平成29年)、全国で「最期まで口から食べられる街づくり」を実践するために第1回最期まで口から食べられる街づくりフォーラム(タベマチフォーラム)を開催しました。コロナで2回の中止を経て、今年、第6回タベマチフォーラムを開催します。
 ここ数年で社会は変わりました。学会や研究会等もオンライン、オンデマンド化が進み、そこにいなくとも参加できたり、都合のいい時間に受講することもできるようになりました。これは本当に大きなメリットです。しかし、失われるものがあります。まさに私がこのフォーラム開催へのこだわりです。 
それは人の思いが集まったときに起きる高揚感です。みんなで肩を組み、こぶしを突き上げ、「やるぞ!」と叫ぶ時のような高揚感です。だからタベマチフォーラムは現地開催にこだわります。
 どんなに偉い人の話であっても、どんなに素晴らしい話であってもオンラインで聴くことができるようになりました。しかし、どれほどの熱量が伝わるでしょうか。知識、技術、さらに経験も必要な社会の中、情熱がなければ人は動きません。その人が同じ空間で熱く語る姿を見て初めて人は動くのです。パッションです。だからタベマチフォーラムは現地開催にこだわります。
 さて、最期は口から食べられない現実を知っているでしょうか。必要以上のリスク管理、完璧を求める社会、そして医療のヒエラルキー。日本人は自ら口から食べられない社会を作っているのです。ここから「最期まで口から食べられる国」にしていくのは至難の業です。できることは、市民が「口から食べることは大切なことだ」ということを理解し、その声を少しずつ大きくしていきながらムーブメントを起こし、社会を変えていくことです。だから市民参加のフォーラムにこだわります。
 私たち新宿食支援研究会は「最期まで口から食べられる街づくり」を考え、実践してきました。もちろん新宿以外にも全国各地でユニークな活動が行われています。しかし、どれほど市民の理解を得られ、ともに活動で来ているでしょうか。残念ながら専門職と住民の間には壁があります。その壁は私たちが壊さなければなりません。だから市民参加のフォーラムにこだわります。
 第6回タベマチフォーラムは現地開催、市民参加で開催します。それが必要不可欠だからです。
 ともに社会を変えましょう。ともに日本を変えましょう。「最期まで食べられる国、日本」に向けて。最初は小さなことしかできません。でも、そこからでしか始まりません。皆様のご協力をお願いいたします。

敬具

第6回最期まで口から食べられる街づくりフォーラム全国大会実行委員長
五島 朋幸

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