皆様には、日頃より活動にご理解とご支援をいただき、心より感謝申し上げます。

新宿食支援研究会は2023年9月17日(日)に東京富士大学二上講堂4階において、「第5回最期まで口から食べられる街づくりフォーラム全国大会」を開催しました。今年は午前の部56名、午後の部150名もの方々にご来場いただき、盛況のうちに終了することができました。

これもひとえに参加者、協賛企業、後援機関、関係機関の皆さまの一方ならぬご支援・ご協力の賜物と、深く感謝申し上げます。

今回のキーワードは「多世代」。食の問題は多岐にわたります。これまで高齢者の機能的な問題という風にとらえてきましたが、もっと幅広く考え、地域の食支援を考える一日を作りましょう。1部は、嚥下食のイメージを変えた調理人の延味克士さんをお招きしての講演、2部は参加型体験イベントです。

またご協賛いただきました17企業にサンプル、チラシ配布し、食を追求する取組、食事などをご案内することができました。

本大会を通して皆様の更なる発展につながりますことを切に願っております。

■開催日時

2023年9月17日(日)(10:00~16:00)

■開催場所

東京富士大学二上講堂4階プリズムホール(東京都新宿区下落合1-9-6)

■開催趣旨

最期まで口から食べられる街づくりフォーラム全国大会。それがタベマチフォーラムです。

口から食べる、そんな当たり前のことだと人は言います。しかし、高齢や病気によって口から食べられなくなる時が来ることもあります。それは人間にとって当たり前のことかもしれません。それを寿命というならばそれもしかたないことでしょう。しかし、現代日本社会で本当にそこまで口から食べられているでしょうか。

口から食べられない一つの象徴として胃ろうが挙げられます。現在胃ろう造設者は40万人とも50万人ともいわれています。最近では国の方針もあって胃ろう造設自体は減少していると言われています。しかし、口から食べられる人が増えているわけではありません。他の代替栄養手段にすり替えているだけで、よりリスクの高い方法が選択されている傾向にあります。このような状態を続けていてよいのでしょうか。口から食べることがこれほど軽んじられている国など世界中どこにもありません。

なぜこのような社会になってしまったのでしょうか。多くは入院してしまったときの「念のため」の禁飲食ではないでしょうか。食べる機能が低下し、体力が低下した高齢者が入院をして「安静、禁飲食」を続ければどうなってしまうのかは想像に難くないでしょう。さらに体力を奪われ、食べる機能も低下して口から食べられなくなってしまいます。

このような社会を変えていかなければ現状は変わりません。入院しない社会を作りましょう。

以下「タベマチ5つのプロセス」です。

1 食べられなくなる前にもっとできることはあるはず

2 摂食機能や栄養状態の低下が始まった時からアプローチすれば効果的

3 そのためには住民レベルで知識や情報を持っておくことが必要

4 たとえ食べられなくなってもそれを支援する専門職が地域にはいます

5 そういう街づくりを目指していきましょう!

正しい情報、知識を持ち、正しい決断ができる一般住民とそれをサポートするプロフェッショナルがいる社会づくり、これが「最期まで口から食べられる街づくり」です。

最期まで口から食べられる街づくりフォーラム全国大会(タベマチフォーラム)は日本全国に「最期まで口から食べられる街づくり」を広めるために開催します。

■主  催

新宿食支援研究会

■後  援

  • 厚生労働省
  • 東京都
  • 新宿区

■協賛企業・団体一覧

  • 株式会社吉野家
  • 日本介護食品協議会
  • ハウスギャバン株式会社
  • アサヒグループ食品株式会社
  • 日東ベスト株式会社
  • 介護食品WG はなすたべるくらす舎
  • ライフデリ東京本店
  • 株式会社ONKURI
  • 株式会社シニアライフクリエイト
  • 株式会社ベネッセパレット
  • 宅配弁当WG WGの活動発表や品評会イベント
  • イーエヌ大塚製薬株式会社
  • ニュートリー株式会社
  • 株式会社WinWin
  • ピジョン タヒラ株式会社
  • 株式会社オリィ研究所
  • 株式会社宮源
  • Hubbit株式会社
  • ギフモ株式会社

■開催プログラム

  • <午前の部テーマ>
    口福 ~心も満たす嚥下食~

     

    【概要】
    飲食業界の調理の現場では、長く続いているグルメブームの影響もあり味の良さはもちろんのこと、見た目の美しさや器選び、食材選びに至るまで、ひと昔前に比べ高いレベルのものを常に求められている。さらに慢性的な人手不足のこの業界において、何故手間のかかる「嚥下調整食」に取り組もうと思ったのか?

    鶴岡食材を使った「嚥下食を考える会」との出会いによってこの取り組みは始まった。

    美味しいものがいつでもどこでも食べられる飽食の今、人々は更に美味しいものを求め続け、高価で珍しい食材や料理がもてはやされている。
    一方で、普通の食事さえ摂ることが困難な嚥下障害の方が多くいることを知り、「料理人の技術で食べさせることが出来るなら」という思いを持ち始めた。
    試作を重ね、医療、介護、栄養士それぞれの専門家と連携し、食感や舌触り、固さなど問題点を見つけどう調理すれば改善に繋がるのかを考え、試作を繰り返し3年がかりで実食可能な晴れの日の嚥下食を完成させた。

    今回の講演では、鶴岡での嚥下食完成への取り組みの紹介とともに、実際の嚥下食を皆様にもぜひお振舞いしたい。そして、皆様の地域にも嚥下食の取り組みを少しでも広げていただきたい。

    【プログラム】
    ① 延味克士先生 トークセッション(嚥下食の試食体験あり!)
    ② ディスカッション 「あなたの地域でどう実践する?」

    【講師紹介】
    ◎延味克士先生(トークセッション&嚥下食提供)

    公益社団法人 日本調理師会 師範
    庄内日本料理向上研究会 会長代行
    山形県日本調理技能士会 常務理事
    城下町 鶴岡の名工
    鶴岡食材を使った嚥下食を考える研究会 代表
    日本料理専門調理師 技能士
    西洋料理専門調理師 技能士

    1968年 山形県鶴岡市生まれ 54歳
    調理師学校を卒業後、地元ホテルの西洋料理部門で働き始め、27歳で西洋料理専門調理師、技能士の資格を取得、同時期にレストランのシェフに就任。
    その後和食に転向し、研鑽を重ねて日本料理専門調理師・調理技能士・フグ処理免許等も取得。
    同時期に『鶴岡食材を使った嚥下食を考える研究会』に参加。現在に至る。

    ◎小川豊美先生(ディスカッション)

    株式会社とよみ 代表取締役
    管理栄養士

    生活改良普及員、主任介護支援専門員、食育インストラクター、国際薬膳食育師3級、在宅訪問管理栄養士
    (公)日本栄養士会認定栄養ケア・ステーション事業推進委員、認定委員
    日本褥瘡学会・在宅ケア推進協議会 評議員
    平成29年8月7日:公法益社団法人日本栄養士会:国民栄養改善功労賞
    平成30年11月:山形県知事賞:健康づくり・栄養改善関係功労者
    令和2年8月:厚生労働大臣賞:栄養改善関係功労者

    管理栄養士資格を取得後、特別養護老人ホームや開業医院、まちづくり協同組合の勤務を経て、株式会社とよみを設立。在宅支援、デイサービス、有料老人ホーム、地域栄養ケアステーションの事業を手掛け、味しい栄養のある食事や入浴そしてレクリエーションなどを行いながら、ゆったりとした明るい今日が続くことを願い、地域の新たな出会いの場を提供と活性化に取り組む。

    ◎稲山未来先生(ファシリテーター)

    Kery栄養パーク 代表
    管理栄養士

    認定在宅訪問管理栄養士、介護支援専門員、認知症ケア専門士、健康咀嚼指導士、東京都栄養士会新宿支部 役員、新宿食支援研究会認定栄養ケアステーション責任者

    特別養護老人ホームにて約10年高齢者の栄養管理を学んだのち、訪問歯科診療所にて管理栄養士による訪問栄養食事指導業務の立ち上げを行う。現在は臨床での訪問栄養食事指導業務を続けながら、歯科医院向け管理栄養士の教育コンサルティングや食支援セミナーの開催などを行う。 また、地域活動として新宿食支援研究会認定栄養ケアステーションでは、地域住民向けの栄養講座や地域見守りボランティアへの栄養普及活動も行う。

    <第2部テーマ(参加無料)>
    多世代で楽しめる食のアトラクションプログラム!

    【概要】
    第2部は完全参加無料!
    子どもから高齢者まで多世代で、「地域での食支援」について楽しみながら学べるプログラムを多数開催します!
    ①学ぶコーナー:食支援、栄養、誤嚥などを学べます
    ②職業体験コーナー:歯医者さんなど3職種の職業体験
    ③食支援体験コーナー:介護用箸や食支援の道具を体験
    ④管理栄養士監修のバランスごはん
    ⑤介護食品のサンプル準備
    などなど、ぜひ家族みんなで足をお運び下さい!

     

    【プログラム】
    ●4階メイン会場
    【学ぶコーナー】13:00-16:00の間に、20~30分1コマの食支援に関する講座を開いています。

    【職業体験コーナー】楽しみながら、3職種の職業体験ができるコーナーを設置。

    【食支援体験コーナー】試食したり、介護用品を使ってゲーム感覚で楽しむコーナー。
    13:00-16:00:「介護箸でお菓子をゲット!」「食支援の道具ナニコレ体験!」など、詳細は乞うご期待

    【その他】
    ・4階エレベーター前にて医師が代表を務める「ショコラビットラボ」のチョコレートドリンクを販売!
    ・4階企業展示ブースでは介護食品の試食&持ち帰りができます! この機会にぜひ!

    ●1F広場
    ■「食の相談室 おむすび」(管理栄養士が作る! 身体整うバランスごはん)
    ・夏野菜のタコライス
    ・おかんの豚汁とおむすびセット
    ・おかんの豚汁
    ・おむすび単品
    ・ドリンク セット
    アイスコーヒー  アイスティー  りんごジュース
    クラフトコーラ  アイスカフェオレ

    ■食育×お祭り
    ・ミニトマトすくい
    ・色分け的あて

■来場者数

・午前の部 56人
・午後の部 150人