皆様には、日頃より活動にご理解とご支援をいただき、心より感謝申し上げます。
新宿食支援研究会は2020年9月6日(日)に東京富士大学二上講堂4階において、「第4回最期まで口から食べられる街づくりフォーラム全国大会」を開催しました。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、今年は会場とオンラインで同時開催いたしました。会場39名、オンライン138名の合計177名もの方々にご参加いただき、盛況のうちに終了することができました。
これもひとえに参加者、協賛企業、後援機関、関係機関の皆さまの一方ならぬご支援・ご協力の賜物と、深く感謝申し上げます。
第4回目の今回は、開催テーマ「最期まで口から食べてもいいですか? ~食べる権利と尊厳~」のもと、滋賀県東近江市永源寺診療所所長の花戸貴司先生の基調講演、武蔵野大学法学部特任教授の樋口範雄先生、スウェーデン福祉研究者博士の藤原瑠美先生にそれぞれテーマセッションでご講演いただき、最期まで口から食べることを支える参加型フォーラムを実施しました。また前日には全国各地で活動している食支援団体が繋がることを目的としたタベマチサミットが行われました。実践者が集まり情報交換が行われたサミットの報告も行われました。
「最期まで口から食べて死にたい!」そんな誰もが考える願いがなぜ、日本では実現できないのでしょうか。生かすために食べさせない。生きている限り食べたい。そのジレンマがこの日本にはあります。第4 回になった最期まで口から食べられる街づくりフォーラム全国大会は「最期まで口から食べてもいいですか? ~食べる権利と尊厳~」がテーマです。
最期まで口から食べられるために私たちには何ができるのでしょうか。食べられなくなった時はどうしましょうか。どのような街づくりをすればいいのでしょうか。そのテーマを考える 1 日に、全国から「わが街を最期まで口から食べられる街へ」という気持ちを持った皆さんが会場とオンラインで結集しました。
またご協賛いただきました10企業にサンプル、チラシ配布し、食を追求する取組、食事などをご案内することができました。
本大会を通して皆様の更なる発展につながりますことを切に願っております。
■開催日時
2020年9月6日(日)(10:00~16:30)
■開催場所
東京富士大学二上講堂4階プリズムホール(東京都新宿区下落合1-9-6)
およびオンライン配信
■開催趣旨
最期まで口から食べられる街づくりフォーラム全国大会。それがタベマチフォーラムです。
口から食べる、そんな当たり前のことだと人は言います。しかし、高齢や病気によって口から食べられなくなる時が来ることもあります。それは人間にとって当たり前のことかもしれません。それを寿命というならばそれもしかたないことでしょう。しかし、現代日本社会で本当にそこまで口から食べられているでしょうか。
口から食べられない一つの象徴として胃ろうが挙げられます。現在胃ろう造設者は40万人とも50万人ともいわれています。最近では国の方針もあって胃ろう造設自体は減少していると言われています。しかし、口から食べられる人が増えているわけではありません。他の代替栄養手段にすり替えているだけで、よりリスクの高い方法が選択されている傾向にあります。このような状態を続けていてよいのでしょうか。口から食べることがこれほど軽んじられている国など世界中どこにもありません。
なぜこのような社会になってしまったのでしょうか。多くは入院してしまったときの「念のため」の禁飲食ではないでしょうか。食べる機能が低下し、体力が低下した高齢者が入院をして「安静、禁飲食」を続ければどうなってしまうのかは想像に難くないでしょう。さらに体力を奪われ、食べる機能も低下して口から食べられなくなってしまいます。
このような社会を変えていかなければ現状は変わりません。入院しない社会を作りましょう。
以下「タベマチ5つのプロセス」です。
1 食べられなくなる前にもっとできることはあるはず
2 摂食機能や栄養状態の低下が始まった時からアプローチすれば効果的
3 そのためには住民レベルで知識や情報を持っておくことが必要
4 たとえ食べられなくなってもそれを支援する専門職が地域にはいます
5 そういう街づくりを目指していきましょう!
正しい情報、知識を持ち、正しい決断ができる一般住民とそれをサポートするプロフェッショナルがいる社会づくり、これが「最期まで口から食べられる街づくり」です。
最期まで口から食べられる街づくりフォーラム全国大会(タベマチフォーラム)は日本全国に「最期まで口から食べられる街づくり」を広めるために開催します。
■主 催
新宿食支援研究会
■後 援
- 厚生労働省
- 東京都
- 新宿区
- 朝日新聞Reライフプロジェクト
- 日本介護食品協議会
- 一般社団法人日本社会福祉学会
- 一般社団法人日本言語聴覚士協会
- 一般社団法人日本老年医学会
- 一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会
- 一般社団法人東京都医療社会事業協会
- 一般社団法人日本老年歯科医学会
- 一般社団法人日本在宅医療連合学会
- 一般社団法人WAVESJapan
- 社会福祉法人東京都社会福祉協議会
- 公益社団法人東京都医師会
- 公益社団法人東京都栄養士会
■協賛企業・団体一覧
- アサヒグループ食品株式会社
- 株式会社明治
- 株式会社ヤヨイサンフーズ
- 株式会社ジーシー(Kamulier)
- 酒田米菓株式会社
- 堂本食品株式会社
- 日東ベスト株式会社
- 日本介護食品協議会
- ハウス食品株式会社
- ライフデリ東京本店
■第4 回タベマチフォーラムは、公益財団法人フランスベッド・メディカルホームケ研究・助成財団の助成を受けています。
■開催プログラム
- 10:00 開会セレモニー
実行委員会挨拶 五島 朋幸 新宿食支援研究会代表
来賓挨拶 大熊 由紀子先生
国際医療福祉大学大学院教授
- 10:20~12:10 基調講演
住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために
〜永源寺の地域まるごとケア〜
講師 花戸 貴司先生
滋賀県東近江市永源寺診療所 所長
- 12:10~12:30 タベマチサミット報告
臼井 悠 第2 回タベマチサミット実行委員長 新宿食支援研究会NEXT リーダー
- 14:00~15:00 テーマセッション1
食べる権利と法
講師 樋口 範雄先生
武蔵野大学法学部特任教授
- 15:20~16:20 テーマセッション2
食と文化と医療とケア~スェーデンと日本の比較から~
講師 藤原 瑠美先生
スウェーデン福祉研究者 博士 地域活動「ニルスヘンメット」共同代表
- 16:20~16:30 閉会セレモニー
[基調講演]
「住み慣れた地域で安心して暮らし続けるために〜永源寺の地域まるごとケア〜」
講師 花戸 貴司 先生
滋賀県東近江市永源寺診療所 所長
- 略歴
1970年滋賀県長浜市生まれ。1995年自治医科大学医学部卒業、1997年湖北総合病院小児科、2000年永源寺町国保診療所(現・東近江市永源寺診療所)所長。
永源寺診療所では内科・小児科・整形外科などのプライマリ・ケア外来の他、訪問診療・訪問看護も積極的に行っている。保健・医療・福祉が連携した地域包括ケアはもちろん、さらに広く地域の人たちがつながりあう地域まるごとケアに取り組んでいる。
[テーマセッション1]
「食べる権利と法」
講師 樋口 範雄 先生
- 略歴
1974年東京大学法学部卒。その後学習院大学法学部教授を経て1992年から2017年まで東京大学大学院法学政治学研究科教授。
2017年から武蔵野大学法学部特任教授。専攻は、英米法、信託法、医事法など。 厚労省の終末期医療に関するガイドライン作成に関与。
[テーマセッション2]
講師 藤原 瑠美 先生
スウェーデン福祉研究者 博士
地域活動「ニルスヘンメット」共同代表
- 略歴
1947年東京生まれ。清泉女子大学英文別科卒業
1968~2000年銀座和光勤務。婦人洋品部部長や広尾店店長などの管理職を務めながら1990年から11年間認知症の母の在宅介護を大田区福祉公社の協力会員の手を借りて続け家で看取る
2001~2015年 市民のための福祉勉強会「ホスピタリティ☆プラネット」主宰
2004~2012年 スウェーデンの高齢者ケアを定点観測して著作活動
2010~2015年 国際医療福祉大学大学院、医療福祉ジャーナリズム学の博士号を修得
2016~2019年 レビー小体型認知症の夫の在宅介護を続け家で看取る
2017~現在 地域活動『ニルスヘンメット』共同代表
『ニルスの国の高齢者ケア ~エーデル改革から15年目のスウェーデン』(ドメス出版 2009年)。
『ニルスの国の認知症ケア 医療から暮らしに転換したスウェーデン』(ドメス出版2013年 医学ジャーナリスト協会賞優秀賞受賞)。
『残り火のいのち 在宅介護11年の記録』(集英社新書2002年)
『ボケママからの贈りもの働きながらの在宅介護五年半の記録』(PHP研究所1995年 2002年文庫化)。
『ケアの概念としてのオムソーリを考察する 短時間のホームヘルプで独居できるスウェーデンの認知症の人たち』(国際医療福祉大学大学院 博士論文 2005年)
[実行委員長]
五島 朋幸 先生
1991年日本歯科大学歯学部卒。
1997年訪問歯科診療に取り組み始める。
2003年ふれあい歯科ごとう代表。新宿食支援研究会代表。
2003年よりラジオ番組「ドクターごとうの熱血訪問クリニック」(全国12局で放送)パーソナリティーを務める。
[4階企画] 12:30~13:30 昼休憩時
■ゲストによるミニコーナー
■来場者数
・会場39人 オンライン138人 合計177人
・プレス12人