新宿食支援研究会は2019年9月1日(日)に東京富士大学二上講堂において、「第3回最期まで口から食べられる街づくりフォーラム全国大会」を開催し、346名もの方々にご来場いただき、盛況のうちに終了することができました。
これもひとえにご来場者、出展者、後援機関、関係機関の皆さまの一方ならぬご支援・ご協力の賜物と、深く感謝申し上げます。
第3回目の今回は、開催テーマ「最期まで美味しく食べる街づくり~ごちゃまぜ社会でつくる未来~」のもと、金沢市の社会福祉法人佛子園、和光市の管理栄養士、石巻市の歯科医師の取り組みの特別基調講演、ディスカッションと最期まで口から食べることを支える参加型フォーラムを実施しました。また全国各地で「最期まで口から食べられる街づくり」が行われており、実践者が集まり情報交換が行われた前日のサミット報告も行われました。
誰もが口から食べることは重要だと分かっているはずなのに、日本は口から食べること をおろそかにしてしまっている社会です。長生きできるのならチューブ栄養でもいいので しょうか。これは国民一人ひとりが考えるべきことです。決して医療者が決めることでは ありません。長寿、高齢社会になっている今だからこそ食べることをみんなで考えました。食べることと街づくりをテーマに考える 1 日に、全国から「わが街を最期まで口から食べられる街へ」という気持ちを持った地域の皆さんが結集しました。
また24企業団体(企業20社・団体4団体)にご出展をいただきました。出展ブースでの展示、実演で、食を追求する取組、食事など学びを体感することができました。
本大会を通して皆様の更なる発展につながりますことを切に願っております。
■開催日時
2019年9月1日(日)(10:00~16:30)
■開催場所
東京富士大学二上講堂(東京都新宿区下落合1-9-6)
■開催趣旨
最期まで口から食べられる街づくりフォーラム全国大会。それがタベマチフォーラムです。
口から食べる、そんな当たり前のことだと人は言います。しかし、高齢や病気によって口から食べられなくなる時が来ることもあります。それは人間にとって当たり前のことかもしれません。それを寿命というならばそれもしかたないことでしょう。しかし、現代日本社会で本当にそこまで口から食べられているでしょうか。
口から食べられない一つの象徴として胃ろうが挙げられます。現在胃ろう造設者は40万人とも50万人ともいわれています。最近では国の方針もあって胃ろう造設自体は減少していると言われています。しかし、口から食べられる人が増えているわけではありません。他の代替栄養手段にすり替えているだけで、よりリスクの高い方法が選択されている傾向にあります。このような状態を続けていてよいのでしょうか。口から食べることがこれほど軽んじられている国など世界中どこにもありません。
なぜこのような社会になってしまったのでしょうか。多くは入院してしまったときの「念のため」の禁飲食ではないでしょうか。食べる機能が低下し、体力が低下した高齢者が入院をして「安静、禁飲食」を続ければどうなってしまうのかは想像に難くないでしょう。さらに体力を奪われ、食べる機能も低下して口から食べられなくなってしまいます。
このような社会を変えていかなければ現状は変わりません。入院しない社会を作りましょう。
以下「タベマチ5つのプロセス」です。
1 食べられなくなる前にもっとできることはあるはず
2 摂食機能や栄養状態の低下が始まった時からアプローチすれば効果的
3 そのためには住民レベルで知識や情報を持っておくことが必要
4 たとえ食べられなくなってもそれを支援する専門職が地域にはいます
5 そういう街づくりを目指していきましょう!
正しい情報、知識を持ち、正しい決断ができる一般住民とそれをサポートするプロフェッショナルがいる社会づくり、これが「最期まで口から食べられる街づくり」です。
最期まで口から食べられる街づくりフォーラム全国大会(タベマチフォーラム)は日本全国に「最期まで口から食べられる街づくり」を広めるために開催します。
■主 催
新宿食支援研究会
■後 援
- 厚生労働省
- 東京都
- 新宿区
- 朝日新聞Reライフプロジェクト
- 日本介護食品協議会
- 一般社団法人新宿区医師会
- 一般社団法人日本社会福祉学会
- 一般社団法人日本言語聴覚士協会
- 一般社団法人日本老年医学会
- 一般社団法人日本プライマリ・ケア連合学会
- 一般社団法人東京都医療社会事業協会
- 一般社団法人日本老年歯科医学会
- 一般社団法人日本在宅医療連合学会
- 一般社団法人WAVESJapan
- 社会福祉法人東京都社会福祉協議会
- 公益社団法人東京都医師会
- 公益社団法人東京都栄養士会
■協賛企業・団体一覧
- アサヒグループ食品株式会社
- 朝日新聞社
- イーエヌ大塚製薬株式会社
- 株式会社東京技研
- 株式会社ふくなお
- 株式会社ヘルシーネットワーク
- 株式会社明治
- 株式会社ヤヨイサンフーズ
- 株式会社吉野家
- 株式会社ルピナス
- Kamulier
- 酒田米菓株式会社
- 堂本食品株式会社
- 日東ベスト株式会社
- 日本介護食品協議会
- ハウス食品株式会社
- フードケア株式会社
- マルハニチロ株式会社
- ライフデリ東京本店
■協力
ふれあい歯科ごとう ぶばいオハナ歯科 社会医学技術学院
医療法人社団三育会新宿ヒロクリニック NPO法人こつこつ ライフデリ東京本店
ヤマト・フード・システム 株式会社 K-WORKER 有限会社ナイスケア
株式会社モテギ 日本リック株式会社
■開催プログラム
9:15 開場
10:00~10:20 【開会】
- 開会挨拶
- 来賓挨拶 大熊 由紀子 先生 (国際医療福祉大学大学院 教授)
10:20~11:35 【基調講演1】
- 人生100年時代とごちゃまぜ社会
雄谷 良成 先生(社会福祉法人 佛子園 理事長)
11:35~11:50 【サミット紹介】
- タベマチサミット報告
栗原 俊介 氏(第1回タベマチサミット実行委員長 新宿食支援研究会NEXT リーダー)
11:50~13:10 昼休憩
13:10~14:10 【基調講演2】
- 地域にとけこむ栄養士
山口 はるみ 先生(特別非営利活動法人 ぽけっとステーション代表 管理栄養士)
14:10~14:25 小休憩
14:25~15:25 【基調講演3】
- 人を良くすると書いて“食” ~歯科が“食”をどのように支えるか考える~
河瀬 聡一朗 先生(石巻市雄勝歯科診療所 所長 歯科医師)
15:25~15:35 小休憩
15:35~16:15 【ディスカッション】
- 食べることと街づくり ~切っても切れない不可思議な仲~
進行:五島 朋幸 先生
◆雄谷 良成 先生
◆山口 はるみ 先生
◆河瀬 聡一朗 先生
16:15~16:30 【閉会挨拶】
[基調講演1]
雄谷 良成 先生 (社会福祉法人 佛子園 理事長)
『人生100年時代とごちゃまぜ社会』
- 略歴
金沢大学卒業後、青年海外協力隊(ドミニカ共和国、障害福祉指導者育成)、財団法人フンダシオン・オーサカ(ドミニカ共和国、医療過疎地病院建設)センター長、北國新聞社、金城大学非常勤講師等を経て、現在は、社会福祉法人佛子園理事長、普香山蓮昌寺(ふこうざん れんじょうじ)住職を務める。
- 公職
・公益社団法人 青年海外協力協会 理事長
・一般社団法人 生涯活躍のまち推進協議会 会長
・日本知的障害者福祉協会 社会福祉法人の経営に関する特別委員会 委員
・金沢大学 非常勤講師 など
[基調講演2]
山口 はるみ 先生 (特定非営利活動法人 ぽけっとステーション代表)
『地域にとけこむ栄養士』
- 略歴
十文字女子短期大学卒、病院・企業栄養士、ヘルパー、ケアマネジャー経て、H18年にNPO法人ぽけっとステーション設立、栄養活動と居宅介護支援事業、訪問介護事業行う。
H26年に「まちかど健康相談室(ぽけっとステーション)認定栄養ケア・ステーション」開所。
資格:管理栄養士・主任介護支援専門員・健康運動指導士
[基調講演3]
河瀬 聡一朗 先生(石巻市雄勝歯科診療所 所長)
・松本歯科大学 非常勤講師 ・石巻障がい児・者歯科診療所 指導医
『人を良くすると書いて“食”~歯科が“食”をどのように支えるか考える~』
- 略歴
2003年 松本歯科大学卒業
2004年 松本歯科大学 障害者歯科学講座 入局
2010年 松本歯科大学 大学院 卒業 学位取得
2012年 石巻市雄勝歯科診療所 所長
・日本障害者歯科学会 代議員
・日本障害者歯科学会 指導医 専門医 認定医
・日本摂食・嚥下リハビリテーション学会 認定士
・石巻圏摂食嚥下研究会 会長
・男の介護教室 代表
[ディスカッション]
『食べることと街づくり~切っても切れない不可思議な仲~』
五島 朋幸 (ごとう ともゆき)先生
1991年日本歯科大学歯学部卒。
1997年訪問歯科診療に取り組み始める。
2003年ふれあい歯科ごとう代表。新宿食支援研究会代表。
2003年よりラジオ番組「ドクターごとうの熱血訪問クリニック」(全国12局で放送)パーソナリティーを務める。
[4階展示場企画] 11:50~13:10昼休憩時
■声出し上手は飲み込み上手
ボーカリスト奥村伸二×聖闘士ターン!(訪問言語聴覚士チーム)コラボ企画
■オーラルフレイル予防のための
「お口の健康づくり体験会!」 中澤桂一郎先生
■新宿食支援研究会専門家による「食支援相談コーナー」
セミナーの様子
[開会挨拶] [来賓挨拶][基調講演1]
[出展ブースでの展示、実演]
[タベマチサミット報告] [基調講演2]
[基調講演3]
[トークセッション]
■来場者数
346名
■出展数
24企業・団体 (企業20 団体4)
展示ブースでは多数の企業展示、また新宿、東京都栄養士会、新宿食支援研究会のワーキンググループの展示、ポスター発表など行う。
「企業」
アサヒグループ食品株式会社 朝日新聞社 イーエヌ大塚製薬株式会社
株式会社東京技研 株式会社ふくなお 株式会社ヘルシーネットワーク
株式会社明治 株式会社ヤヨイサンフーズ 株式会社吉野家 株式会社ルピナス Kamulier 酒田米菓株式会社 堂本食品株式会社 日東ベスト株式会社
日本介護食品協議会 ハウス食品株式会社 フードケア株式会社
マルハニチロ株式会社 ライフデリ東京本店 株式会社WinWin
「団体」
新宿区 東京都栄養士会 エイヨ新宿♡ 京滋摂食嚥下を考える会