新宿食支援研究会は平成29年9月3日(日)に東京富士大学二上講堂において、「第1回最期まで口から食べられる街づくりフォーラム全国大会」を開催し、446名もの方々にご来場いただき、盛況のうちに終了することができました。

これもひとえにご来場者、出展者、後援機関、関係機関の皆さまの一方ならぬご支援・ご協力の賜物と、深く感謝申し上げます。

第1回目の今回は、開催テーマ「最期まで口から食べられる街づくり」のもと、新宿と京都の先端2都市の特徴にスポットを当て、特別基調講演、多職種フォーラム、パネルディスカッションを実施しました。

また25企業団体(企業17社・団体8団体)にご出展をいただきました。出展ブースでの展示、実演で、食を追求する取組、食事など学びを体感することができました。

本大会を通して皆様の更なる発展につながりますことを切に願っております。

 

■開催日時

平成29年9月3日(日)(10:00~16:30)

 

■開催場所

東京富士大学二上講堂(東京都新宿区下落合1-9-6)

 

■開催趣旨

私たち日本人は、長寿大国「日本」の称号を手に入れました。世界中から羨望の眼差しを浴び、誰もが誇らしく思える日本…とは到底思えません。高齢化は社会問題となり、財政、経済、介護、医療など多くの問題を抱えてしまうようになりました。有史以来誰もが求めてきた長寿を手に入れた先にあったものは何だったのでしょうか。

1990年代、日本で胃ろうが普及し、2000年代に入って急速に広まってきました。それと同時に、口から食べられなければ胃ろうがある、といった安易な考えで口から食べることを奪われるケースが増加しました。口から食べることは人間にとってこんなにも軽いものだったのでしょうか。海外に目を転じてみても、食べることを奪われる国などどこにもありません。まさに、日本はガラパゴス化しているのです。この問題を国民全体の議論として食べる権利を取り戻すことが高齢社会に対する1つの問題解決になるかもしれません。

「最期まで口から食べられる国、日本」を作っていくのは専門職だけでは不可能です。誰もが自分の問題、家族の問題、そしてわが地域の問題として考えなければなりません。このようなムーブメントを「最期まで口から食べられる街づくり」と考えています。

私たち新宿食支援研究会は「最期まで口から食べられる街づくり」を考え、実践してきました。もちろん新宿以外にも全国各地でユニークな活動が行われています。本フォーラムでは、これらを結集して日本を動かす大きな力にしたいと考えています。

今回は和の食文化と食支援を融合させた「京滋摂食嚥下を考える会」と私たち「新宿食支援研究会」の活動の一端を見ていただきます。来年はもっとユニークでパワフルな活動が登場するでしょう。再来年はもっともっと…。本フォーラムが巻き起こすムーブメントで日本を変えていきましょう。私たち全員が望んでいることは「最期まで口から食べられる国、日本」なのですから。

 

■主  催

新宿食支援研究会

 

■後  援

厚生労働省 新宿区 朝日新聞Reライフプロジェクト HELPMAN JAPAN

日本プライマリ・ケア連合学会 日本老年医学会 日本在宅医療学会 日本在宅医学会

日本老年歯科医学会 日本在宅栄養管理学会 WAVES Japan 日本言語聴覚士協会

日本社会福祉学会 日本イベントプロデュース協会 東京都医師会

全国在宅療養支援診療所連絡会  全国在宅療養支援歯科診療所連絡会

全国薬剤師・在宅療養支援連絡会 東京都看護協会 東京都社会福祉協議会

東京都医療社会事業協会 東京歯科保険医協会 埼玉県作業療法士協会 新宿区医師会

新宿区歯科医師会 四谷牛込歯科医師会 ケアマネット新宿

新宿区在宅リハビリテーション連絡会  新宿区訪問介護事業所連絡会

新宿区通所サービス事業所連 新宿訪問ST連絡会 新宿ソーシャルワーカーの会

新宿区福祉用具貸与事業所連絡会 東京富士大学 食品科学新聞社

フランスベット・メディカルホームケア・助成財団 スポーツ医療研究会

介護者サポートネットワークセンター・アラジン ブライトライフ

 

■協力

ふれあい歯科ごとう 医療法人社団悠翔会 株式会社 K-WORKER

有限会社ナイスケア 株式会社モテギ 地域食支援グループハッピーリーブス

医療法人社団三育会新宿ヒロクリニック 日本リック株式会社 株式会社ファーコス

 

 

 

■開催プログラム

10:00       開会あいさつ
来賓挨拶 唐澤 剛 氏(内閣官房まち・ひと・しごと創生本部事務局 地方創生総括官)

 

10:20       基調講演①『食支援による京の町づくり』
荒金 英樹氏 (京滋摂食嚥下を考える会代表)

 

11:50       昼休憩

 

13:20       基調講演②『新宿流「最期まで食べることを楽しむ街づくり」実践法』
五島 朋幸氏 (新宿食支援研究会代表)

 

13:50~15:20 多職種フォーラム『最期まで口から食べるためにすべきこと』
木村 晶子氏(看護師)    篠原 弓月氏(歯科衛生士) 佐藤 亜沙美氏(言語聴覚士) 越後 雅史氏(理学療法士) 山上 智史氏(福祉用具専門相談員) 赤木 由紀子氏(管理栄養士)

 

15:40~16:30 パネルディスカッション
『最期まで口から食べられることを“楽しむ”街づくり』
佐藤 修氏(介護職)

 

[基調講演①] 『食支援による京の町づくり』

荒金 英樹氏 (愛生会山科病院消化器外科部長。「京滋摂食嚥下を考える会」代表)

京都、滋賀は日本の食文化を支える様々な職人が活躍されてきた歴史と伝統のある地域。こうした食に関わる伝統職人の協力を得て新たな食文化の構築、食を通じての地域づくりについて実践されてきた取組は京都ならではである。京料理、和菓子、お茶、豆腐、日本酒を通じて歴史と伝統の街で職人が医療や福祉の専門職と連携をしながらお互いが理解を深めてきた経緯。また清水焼などで介護食器を作るプロジェクトの熱い思いや経緯についてお話していただいた。

 

基調講演② 『新宿流「最期まで食べることを楽しむ街づくり」実践法』

五島 朋幸氏 (ふれあい歯科ごとう代表。新宿食支援研究会代表)

新宿食支援研究会では、当会が薦める街づくりの原則、「見つける、つなぐ、結果を出す、そして広める」(MTK&H)の理論と実践を交えて地域連携に取り組んでいる。

「最期まで口から食べられる街、新宿」の実践には25職種127名の医療福祉を中心にした新宿食支援研究会メンバーが多職種専門職の役割を地域にしっかりと伝えていくことが必須である。ただし専門職だけでは食支援での街づくりが充分であるとは言えない。同時に食の大切さを地域に広めることが求められる。地域に食支援の仕組みを構築し「食べられる街、新宿」を築いてきた都市型食支援の実践方法についてお話しいただいた。

 

[多職種フォーラム] 『最期まで口から食べるためにすべきこと』

パネルディスカッション 『最期まで口から食べられることを“楽しむ”街づくり』

「パネリスト」

荒金英樹氏 五島朋幸氏 木村晶子氏(看護師) 篠原弓月氏(歯科衛生士) 佐藤亜沙美氏(言語聴覚士) 越後雅史氏(理学療法士) 山上智史氏(福祉用具専門相談員) 赤木由紀子氏(管理栄養士)

佐藤 修氏(介護職)(パネルディスカッション登壇)

食べるというのは機能だけではなく、全身管理、口腔環境、摂食嚥下機能、食事姿勢、食環境、食事形態などトータルに揃えなければなりません。荒金英樹氏、新宿食支援研究会のそれぞれプロフェッショナルが解決のヒントをディスカッションと参加者の疑問・質問に答え伝えていた。

 

■来場者数

446名

 

■出展数

25企業・団体 (企業17   団体8)

展示ブースでは多数の企業展示、また新宿食支援研究会のワーキンググループの展示、ポスター発表など行う。

「企業」

ヘルシーフード株式会社 株式会社明治 アサヒグループ食品株式会社

ハウス食品株式会社 日本介護食品協議会(UDF) イーエヌ大塚製薬株式会社

テルモ株式会社 日清オイリオ株式会社 堂本食品株式会社 カレイド株式会社

株式会社LIFULL カシオ計算機株式会社 株式会社東京技研 株式会社松永製作所

ラックヘルスケア 朝日新聞 Re ライフプロジェクト 三輪書店

 

「団体」

京滋摂食嚥下を考える会 事務局(株式会社WinWin) せらぴ新宿

聖闘士ターン すなっく コンセプト エイヨ新宿 URUZO!

 

■セミナーの様子